• 自転車世界一周

2007年9月 7日

広辞苑

 人と話していると、改めて自分は知識を貯め込むのが好きな人間だと気付く。旅の合間でも電子辞書の広辞苑をのぞいては悦に浸り、もし常時インターネットに接続できるのであれば、朝がまた訪れるまでWikipedia(オンライン百科事典)を眺めているだろう。あぁ、生まれ変わるなら広辞苑になりたい。
 いつからか全てを知りたいと願うようになった。でも決して届かない事も理解している。だけど少しでもそこに近づきたい。知識は考える材料で壊して、組み立て、かき混ぜ、練り固め、頭の中で繰り広げられる粘土遊びの様な世界。死ぬまでにどれだけ、どこまで分かるようになれるだろうか。

2007年8月30日

集団

 愛知の立てこもり事件で同じ歳の人がなくなったらしい。彼とは手を繋いで歩いて来た。だがその手は離された。減っていくしかない集団の中で歩いている事をふと思った。
 
 07/06/12

2007年8月23日

選ばれたら逃げられない

 バロッサバレーでワイングレープのピッキングで働ていた時に、同じワーカーのインド人女性が死んだ。車が木にぶつかったらしい。重ねていたとしても30歳位だろうという彼女は、分かり合えるだろう男性と笑顔を交わしていたから悲しい。隣でも働いていて、そのレーンに居た自分でもなく、80歳を過ぎた老年の男性ではなく、彼女が選ばれた。誰も選ばれたら逃げられない。

 07/03/19

2007年8月20日

曇り

 子供の頃は綺麗に晴れていた頭の中の硝子も、年を重ねる毎に曇ってくる。その曇りのせいで頭は憂鬱で、曇りを取りたいと磨いて磨いてみるが落ちやしない。晴れていた頃は覚えちゃいない、曇ってしまってからで届きはしない。

 07/03/20

2007年8月12日

23歳

 オーストラリア北西部、ホールスクリークのモーテルで働いていた時に23歳となった。高校生の時に一緒にファミレスで働いていた人と初めて出会った時、その人は23歳だった。自分もその人が居た場所まで辿り着いた。次に同じ感慨を抱くのは29歳になった時だろう。2002年に日本一周した際にその歳の人達が同じように走っていた。面倒くさくて誰からも祝って貰うような事はせず、ただいつもよりバイキングの夕飯の量を増やしたくらいで一人過ごしていた。
  
 06/09/16 

2006年12月20日

 小さな窓が一つだけの
 ファームのアコモデーションの
 自分の部屋は暗い。
 闇が広がる。
 
 だからといって怖いわけでもなく
 何もないその世界の居心地のよさを覚える。
 
 怖いのはこの見えないこの闇さえ
 見えなくなる事がある現実で。
 
 ベッドに沈んで
 そんな事を考える夜を数える。 

 06/09/30 

2006年12月17日

甘い言葉

 甘い言葉耳に溶かして僕のすべてを汚して欲しい。
 唇をすり抜けるくすくったい言葉の・・・。

 スピッツ、
 ホタルとフェイクファー
 
 耳に残った甘いフレーズ。
  
 06/09/16 

2006年12月12日

手を併せて祈りたい

 一人のチャリダーが亡くなった。
 アデレード近郊、ナラボー平原入り口らしい。

 4月だっけな。
 宿で知り合った人からメールが来ていた。
 ネットで検索かけてもみた。
 それから彼の死が離れない。

 彼は自分であり、
 自分は彼でもある。
 たまたま彼であって、
 自分だったかもしれない。
 重なってしまい、重ねてしまう。
 姿を。想いを。

 彼は自分より若かった。
 それがまた悲しい。
 その差違だけでも自分は生きていたから。
 それが彼にはなくなった。

 彼は何を描いていたのだろうか?
 夢も希望も奪われた。

 もし場所が分かるなら
 手を合わせて祈りたい。
 
 届くだろうか?
 言葉では言い表せないこの想いを。
 震える程の涙を流した理由を。

 事故の可能性が分かっていても
 走らないと進まない自転車。

 06/09/18 

2006年12月 8日

 
08-01.jpg

一度目のスイカファームで芽が出た。
 二度目のスイカファームで成長している。
 今まで出来る事のなかった
 憧れていた力こぶが出来ている。

 ほぼ一日一度は
 腕を曲げて張り具合をチェックしている。
 愛でている。
 可愛くて仕方ない。

 足の筋肉は自然とついてくる。
 腕の筋肉も何とか育てていきたい。
 何といたってここは肉の国オーストラリア。
 たんぱく質には事欠かない。

 男であるからには強くありたい。
 
 06/09/16 

2006年12月 3日

旅と死

 03-01.jpg

旅に出て死ねるなら本望
 粋がっていた。
 誰の生き方にも魅力を覚えず、
 妥協して生きてもつまらないと感じていた。

 だが今は違う。
 誰の生き方も魅力的で
 妥協して生きても楽しいだろうと感じている。
 だから旅で死ぬ事は怖い。

 世界はあまりに不条理に出来ていて
 あっとい間に持って行かれてしまう。
 それに気付かれないように
 旅を終わらす事ができるなら。
 
 悲しい程に 
 夢も希望も積み重なっている。
 年老いて死にたいもんだ。 

 06/09/09  

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