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2020.06.13

カテゴリ : アフリカ

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アフリカのマラリアは旅人を死へといざなう

 

西アフリカで流行する熱帯熱マラリアは、マラリアのなかでも迅速かつ適切な対処をしないと、重症化し死にいたる危険性がある。実際に私もマラリアと腸チフスを併発してフラフラになった。アフリカを旅するチャリダーはけっこうな確率でマラリアに罹る。

私と近い時期に西アフリカを旅をしていた日本人夫婦がいた。彼らは西アフリカを脱出してすぐに南米のボリビアでマラリアと思われる症状で命を落とす。それだけではなく、旅では面識のある人がマラリアで亡くなっていた。友人づてに訃報を知る。

彼女とはセネガルの首都ダカールで会った。かつての奴隷積出港だったゴレ島へ向かうフェリー乗り場に2人はいた。カップルだった。彼女はダンスを踊り彼氏は太鼓を叩く。そんな息のあった2人の姿が目に浮かんだ。20代半ばくらいか。年齢も近い。

2人は「ギニアでは何ヶ月か現地の音楽を勉強したい」と言っていた。「自転車だけどギニアで会えるかもしれないですね」と連絡先も交換した。メールのやり取りも少しあった。でも、旅に余裕がなくてギニアでは連絡せずにそのままだった。

2人とダカールでマラリアを話をしたか思い出せない。ただ、私はダカールでマラリアの治療薬を購入している。万が一の事態に備えた。メールもあったし、もっと何かできたのでは。訃報をを知ってくすぶっていた。でも、2人はギニアで現地日本人のお世話になっていたよう。何かできたのは私だけでない。気持ちも少し楽になる。

いや、原則として旅は自己責任。他人に責任などない。

それでも、旅で人が亡くなるのは悲しい。親しい人ならなおさら。だから、友人がアフリカ、特に西アフリカを旅するときはマラリアに気をつけてと呼びかけている。前知識があれば、それだけ命の危険も少なくなる。

人は簡単に死んでしまう。この世界は祝福ばかりでない。

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プロフィール

・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載

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