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2016.02.10

カテゴリ : 国際

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イスラム教徒の人権だけなくデンマーク人の伝統も尊重すべき

 

欧州に広がる反イスラム、学校給食で豚肉義務化も(TBS系(JNN)) – Yahoo!ニュース

ヨーロッパに難民が大量に流入している問題で、各国ではイスラム系移民への反発が強まっています。北欧の名物料理にミートボールがありますが、これには豚肉が使われています。デンマークのある自治体ではイスラム教徒が食べることを禁じられた豚肉料理を学校給食に出すことが義務づけられました。イスラム教徒への嫌がらせとの批判も出ています。動画でご覧ください。(08日16:42)

このニュースに対して

といった意見がある。でも、ちょっと考えて欲しい。豚肉料理はデンマークの伝統料理だ。学校で自国の食文化を学ぶことも大切なはず。多文化共生を訴える人ほど、虐げられている人の立場に立てない。

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沖縄にある豚肉入ったランチョンミートの缶詰。チューリップはメイドインデンマークのブランド。

イスラム教徒に配慮するからといって、デンマーク人の伝統を尊重しないことは何の解決にもならない。臭いものには蓋をしているだけ。そんなことをしたら対立の根はより深まる。学校で教えることは豚肉を食べないことではない。

「伝統食だからこそ豚肉を食べる」
「イスラム教徒だから豚肉食べれない」

この2つはどちらも尊重されるべき。

豚肉を食べる人が多いからこそ、学校給食で義務化された。だからといって、イスラム教徒に豚肉食を強制することにはならないだろう。弁当持参となるのでは?

豚肉を食べる人には食べない人がいることを、豚肉を食べない人には食べる人がいることを、いろいろな立場を理解することが、真の意味での多文化共生だと思っている。

余談だが、Wikipediaの養豚のページは読み応え十分。トンガの豚島の記事をかいたときに、参考にしていた。

東アジアでの養豚はこうしたタンパク質に富んだ人糞を豚に食わせ、それによって集落の衛生を保つと共に生きた豚の形でタンパク質や脂肪をストックし、必要に応じて屠畜、人間の食料として回収するシステムとして発達した。日本の本州、四国、九州およびその周辺島嶼では食用家畜を飼育する文化が朝廷の仏教政策の影響で衰退し、人糞は発酵させて農地の肥料として利用する文化が発達したのでこうした養豚は行われなかった(或いは行われなくなった)が、中国文化の影響が強く、日本の朝廷からは独立した琉球王国の支配下にあった南西諸島では、こうした東アジア一帯に普遍的に見られる人糞養豚が行われ、豚肉食文化が発達した。

豚肉が食べられる地域には、こうした歴史もあるわけでして。

追記

デンマークの学校給食って、どんなの?日本とどう違うの?|北欧ヒュゲリニュース

その学校では、給食に選択肢がある。

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プロフィール

・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載

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