短波ラジオ
埋もれていたラジオを引っ張り出し、周波数を合わして流れてきた日本語に興奮した。ラジオは短波を拾った。海外で旅をしながら紅白歌合戦が聞ける事を知っていた。短波は広範囲で受信する事が可能らしく数個の中継局を挟んで世界を網羅している。
日本一周の頃にも聞いた事あるような地球ラジオで海外の同窓会の話題が流れていた。マツケンサンバが流れてきたら笑うしかないだろう。近くのブルームの情報も流れた。「邦人3人が被害にあってます」と語る声、何かに巻き込まれたらしい。治安が悪化しているみたいだった。実は狙っていた。欲しくて欲しくてたまらなかった。
この旅の前にオークションで中国製の短波ラジオを手に入れたのだがすぐに壊れてしまった。だがこれはsony製だから悪くないだろう。ビデオケース大とでかいのだが、その方が感度がいいという話も聞いた事があるので問題ない。時間をみつけてはアンテナを空までのばし懸命にチューニングして日本からの声を探していた。
ファームを去る前に思い切って聞いてみると、こっそり抱いていた期待を裏切らずやっぱりくれた。遠慮なく頂く事にした。代わりと言っては何だが、日本一周で群馬は前橋のヤマダ電気で買った同じくSONY製のAM/FMラジオをおいてきた。そんな事があって今は、短波ラジオと共に旅をしている。
06/11/09
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プロフィール
・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載