【近況】エスペランスに到着
一昨日の月曜日に、地図上での距離は721kmを10日間かけて走りきってエスペランスに到着した。想像していたよりも大きな街で、安いキャラバンパークも発見してゆっくりとしている。昨日は西側に40km近くで周遊できる観光道路があって走って来た。触ると溶けてしまうそうな極めの細やかな砂の粒子、白く白く敷き詰められた砂浜に、透き通った青い海。自分が見た中で世界一綺麗な海、日本一周の際に波照間で見た光景に匹敵する物をようやく見る事が出来た。
大晦日、お正月
耳にはしていた海外サイクリングで紅白歌合戦が聞けるというのは本当だった。チューニングをしたら流れて来た中盤だろう、ナイナイの岡村が飛び入りしたらしくて騒がしく、歌はオレンジレンジや平原あやか、スキマスイッチなんかが流れていた。ニュースをはさんでしばらくしてから雑音が目立つようになり再チューニングを試みたが、電波を拾う事はなかったので諦めて寝て夢の中で2007年を迎えた。元旦からフルサイクリング、何と猪らしい黒い物体が道路を横断しているのを目撃。小さい図体に更に子供がちょろちょろしてたからその可能性は高く、亥年の始めに猪に遭遇なんて縁起がいいという事にしている。ちなみに今年で24歳となる自分は年男で、12年振りに巡り会えたならいい年だと考えたくもなるのだが、そうはいかず前途多難な厄年という物らしい。それでも何とか旅を進めていきたい。
あけましておめでとう。
雨
2日の午後に曇って3日、4日と降って5日の午後に晴れた。3日はテントに籠もって”寝正月だぜだはは”と過ごしたのだが、4日はいても立ってもいられず雨の中突撃する。大波が一瞬にして凍り付いたというウェーブロックを通過したのだが、小さいデジカメが動かずそれこそに凍り付いてしまい、とても観光ところではなかった。翌日の午後にして、ようやくもう会う事はないかとも思えた太陽と再会して助かった。ここ半年はまともに雨が降っていたかったので、ないがしろにしていた防水対策の結果、紙類を始めほとんど浸水してしまう。心身共に疲れた。
余波
ここエスペランスでは2日間で200ml、200km西の町でも150ml降ったらしくて、その結果その間の橋が流されて通行不可な状態となっていた。幸いにも舗装されてないが脇道があり、そこで膝下20cm位の川を越えたら迂回できた。「アフリカ、アフリカ」とはしゃいであぜ道を乗り込んだのだが、川を越えた時点で軽トラックが止まり、舗装されている所までリフトしてもらった。それからも至る所で水が貯まって悪臭を放ってたり、二十メートルはあるだろう道路沿いの木が根本から何十本も倒れているのを目にしたりと、凄まじい嵐が吹き荒れたみたいだった。
ナラボー
オーストラリアのメインイベントでここに来た一番の目的、ノースマンからセドゥーナまで1200kmを一直線に横断するナラボー越えが待ち構えている。日本でいうならば下関から国道2号と国道1号を乗り継いで東京まで、その間にスーパーマーケットがない。安価で荷物が送れそうだったのでアデレードに必要ない物を送って、その分に大量の食料を抱え込み駆け抜けるつもりだ。セヅゥーナに到着したら達成の報告をしたい。ではではナラボー横断行って来る。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載