【近況】リゾートでも語学学校でもないセブ島の楽しみ方
私がやることなので、もちろん自転車となる。フィリピンはちゃんと自転車で走った。
セブン-イレブンで休憩中。
空港を出ると道路は右側通行となっていた。そうとなれば島を北上しないといけない。そうすると常に海を見ながら走行できる。初日は様子を見たかったので、35kmほど走っダナオという街に一泊。こんな辺鄙な場所だというのに、ハイパーマーケットの入ったショッピングモールがあってフィリピンの経済力に目を丸くする。
海沿いの道を走っていたのだけど、意外とアップダウンもあって体力を削る。チューブの交換が必要だったのをずっと忘れていて、パッチの隙間から空気が漏れ出した。こんな時に限って手持ちのゴムのりが使えない。穴が空いて中身が固まっていた。ちょうど手元にあった瞬間接着剤でパッチを貼り付けて応急処置を済ます。そのまま100km以上を走ったけれど、セブシティ到着寸前で再度空気が漏れた。新しいチューブを手に入れて交換する。500kmも走ってないにも関わらず随分と手こずった。
夕食の焼き鳥。
甘醤油で煮込まれた赤ちゃんイカを噛み切ると、閉じ込められていた磯の風味が口の中いっぱいに広がった。
何の目的もなく、ただ島を一周する。地元民の生活を垣間見る。旅なんて、それだけで十分なことを思い出した。お腹が空いたら街にあるパン屋さんで菓子パンを頬張る。1ピースが10~15ペソというフライドチキンにもはまっていた。食堂にはおかずが入った鍋が幾つか並べてある。華はないけれど、生活感があってそれがよかった。夜になると、どこからかカラオケのマイクを握るフィリピーナの歌声が聞こえてくる。
こっちをみつめる子ども。
子どもたちがたくさんいるのも微笑ましい。まれに丸裸だったり、Tシャツだけの下半身丸出しが、家の軒先で遊んでいる。大きめなTシャツを小さな子どもが着るとワンピースになる。バイクに2ケツしても、腕が短いからお父さんの背中は覆えない。めいっぱい腕を広げて、Tシャツの端を掴んでいた小さな手。
道ばたの猫。
安宿を管理していたおばちゃんはニコニコした笑顔を振りまいていた。
最後のアセアン加盟国だったけど、どことなく中米の雰囲気を感じていた。褐色の肌、キリスト教、微妙な治安、野良犬、パン屋さんなど。ただし、やはりアジアだとも感じる。主食がご飯、豊富な料理、庶民の足がバイクなど。旅を早く終わらせたかったので、短い滞在となってしまったけれど、島伝いに走ったら楽しそうな国だろうとは思った。ともかく149カ国目のフィリピンも終了。次は台湾。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載