飛行機
”飛行機は本当に空を飛ぶんだ”、常識的には分かっていても、実感としてなかったからそう思えた。幼い頃に乗ったらしいが記憶にない。故に初めてのフライトは何もかも新鮮だった。何度もある飲み物のサービス、肥大化した胃袋には物足りない機内食、イヤホンで流れるJポップ、狭いトイレ。
成田、バリ、ブリズベン、シドニーという経路で乗り換えが三度もあった。離陸の際には空に道があるかの如く機体を傾けながら空に昇っていってた。着陸の際には乗客一同から安堵の声がこぼれる。三度の離陸と着陸は十分だった。夜間も飛んでいて、意識も曖昧な寝ぼけ眼でちらりとみた空は星空のパレード。
オーストラリアへ船があるなら船を使いたかったが、みつからなかった。だから飛行機に乗って海を超えて旅立った。
06/09/04
関連記事
プロフィール
・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載