祇園(ギオン)の「園(エン)」はなぜオンと読むのか
「祇園(ギオン)、祇園~」と地下鉄の駅がある福岡市民には馴染みの深い単語。博多駅と中洲川端駅の間に祇園駅はある。福岡には祇園という地名がある。福岡の夏の風物詩である山笠も「博多祇園山笠」が正式名称。
また、祇園といえば京都の祭りも有名。祇園(ギオン)祭もまた京都の夏の風物詩だ。倉のような形をした山鉾が京都の市内を練り歩く。
「園」という漢字をパッと見たら、私は訓読みで「その」音読みで「エン」と認識する。動物園、植物園のエン。それなのに、祇園と言う単語ではオンと読む。その理由を調べたら、呉音と漢音の違いだった。
呉音がオンで漢音がエンとなる。
漢字は中国から日本に伝わった。最初は音読みも一つだけだったかもしれない。しかし、時間は流れる。言葉は変化する。別の地域から別の発音が伝わってくることだってあっただろう。プログラムの更新パッチのように、古い日本の人たちは既存の漢字に新しい音読みを追加していった
ちなみに「遠」「怨」のエンの字もオンという音読みを持つ。福岡県には遠賀町(オンガチョウ)という自治体がある。
開園(エン)、祇園(オン)
永遠(エン)、久遠(オン)
怨恨(エン)、怨霊(オン)
呉音と漢音が一致する漢字は中国語のピンインも共通していたりする。
園=yuán
遠=yuǎn
怨=yuàn
冤=yuān この字も呉音がオンで漢音がエン。
同じようにエンやオンという音読みの漢字も呉音と漢音が一致しない場合はピンインが共通しないことが多し。
塩=yán
温=wēn
塩(エン)、温(オン、ウン)
今になってはまっている中国語のピンイン習得(解読)は巨大なパズルを解いているようだ。いろんな所に鍵が転がっている。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載