【近況】旧ソ連と社会主義と欧州連合と資本主義と
久し振りに滞在している。何日も居ると街のかってが分かって嬉しい。今日も地図なしで郊外へ出かけて、きちんと宿に戻れた。オデッサ以来の雑用を済ませて、北欧への準備を整えている。弓にたとえるならば、しっかりと引いて力を貯めている状態。ここを出たらノールカップへの道。
・バルト三国
民族問題のくすぶるキルギスタンや、アメリカかロシアかはっきりしないウズベキスタン、トルコとの国境問題を抱えるアルメニアに、ロシアと戦争してしまったグルジア、ロシアとヨーロッパで揺れるウクライナに、旧ソ連諸国は先行きが見えない。だが、バルト3国の未来は決まっている。西欧についていくしかない。
・資本主義の中へ
リガの駅前は再開発されていて、新しいホームと共に隣接する商業施設群は日本みたいだ。駅前にはマクドナルドがあり、郊外にはショッピングモールがあり、そこで新しい生活を楽しむ人達が居る。
だが、その裏でついていけなかった人達が居る。ここリガはどこよりも物乞いが多い。道の至る所で空の缶を抱えて立っている。社会主義では考えられなかった貧困の怨嗟の声が聞こえて痛い。
・炊飯ジャー
外国人ばかり集まるホステルに陣取っている。そこで出会ったインド人家族が炊飯ジャーを持ち歩いていた。ぽっと窓に置かれた炊飯ジャーの後姿にたそがれを感じた。
「家庭で使われる為に作られたのに、まさか旅に連れて行かれるとは」
「怒りで顔から湯気が・・と思ったら炊き上がったぜこの野郎」
「どうせ、カレーだろ、カレー、いっその事炊き込んで欲しい」
と語っていた。
夫婦に娘一人で旅しているインド人家族なんだけど、驚いたときに両手を鼻の上に置く仕草が可愛くて萌えた。でも、娘じゃなくてお父さん。
関連記事
・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載
コメント
”弓にたとえるならば、しっかりと引いて力を貯めている状態”
ん~ん、いい表現ですねぇ、実感が伝わってきます!
明日から走るつもり。
北欧は楽しみ。
野生化してきます。