暑さにもだえ苦しむ工場で働く期間工の夏
明るくなったけれど日差しは熱を帯びていない、夏の早朝はふわふわとしている。そんな朝、始業開始前に流れる工場のラジオ体操。子どものころの夏休み、早朝に近所の公園でラジオ体操をやっていたことを思い出していた。あの頃は良かった。働かなくてよかった。だけど、昔には戻れない。おっさんとなった今は夏でも働かなくてはならない。
事前の情報どおり工場で働く期間工の夏はやばかった。
通勤するだけで汗だくになる。リュックを背負っているので背中がぐっしょり。着替えようにも、肌にくっついてTシャツがうまく脱げない。働く前から体力を消耗。
勤務中も本当に参った。ひどいときは工場内が、シャワーを浴びた後の浴室のような暑さと湿度になる。その中を走りまわっていると、頭がフラフラ、意識も朦朧としてくる。首筋から流れ落ちた汗がスーッと胸元に消えていく。
ライン稼働中も水分補給は認められていた。スキをみて水をグイーっと飲み干すと、体温を冷やしたいのか汗が一気にジワーッと吹き出す。朝に用意した2.0リットルのペットボトルは帰るときには空となる。
この暑さの対策として作業着の半袖シャツを夏用にした。同じ用な半袖シャツを持っていたが、夏用はメッシュが荒くて通気性がよくなっている。一枚で足りるかと心配したが大丈夫だった。毎日洗濯した。あと、メッシュ式の帽子も使っていた。そして、頭も丸めて坊主にもした。
こうした暑さを心配した同期は3クール目が終わった5月に退社している。
世界をいろいろ回ったけれど、日本の夏の暑さは別格。湿度があってジメ-っとしているので体力が奪われる。しんどかったが、そんな夏もきちんと働いた。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載