自転車世界一周における食事情
とりあえず投稿。あとで写真も追加したい。
自転車世界一周における食事情は自炊か外食かで大いに異なる。
先進国は物価が高いので基本自炊だった。野宿とセットになる。朝食はコーンフレークやパンと果物。昼食は火を使うと面倒なので予めサンドイッチを作っておく。理想はトマト、ハム、チーズをはさんだサンドイッチ。あとは果物。夕食はガソリンストーブを取り出して調理する。主食は米、スパゲティ、マカロニ、ラーメン。タンパク質に肉。あと野菜。食後にコーヒー、おまけに甘いデザートがあればなおよし。
旅の始め、オーストラリアでは真面目に自炊していた。米を炊いて肉を焼いてスープにサラダまで作っていた。だが、旅が進むに連れ自炊も効率化していく。特に米を炊かなくなった。最初に水で洗う。うまく炊くのにコツがいる。片付けがめんどくさい。腹持ちはいいが、米は何かと手間がかかった。
野宿中に作る飯の完成形は全部ぶっこみスープだった。肉も野菜も具材は全部鍋で煮る。コンソメで味付け。最後にマカロニ、ラーメンを入れたら完成。完成直前にチーズでとろみを付けるもよし。ずぼらだが、スープには野菜のうま味が溶け出し意外といける。スープなので米のように焦がす心配もない。片付けも楽だった。
また、国関係なしに無補給区間では大量に食料を積み込んだ。野菜は玉ねぎ、にんじん、じゃがいもが保存性抜群。3種の神器として重宝した。キャベツもそこそこ日持ちする。トマトは傷むので早めに消費すべし。果物だとオレンジ、リンゴが日持ちする。タンパク質は缶詰になる。値段の安いサーディン(イワシ)缶、ツナ缶が主力だった。コーンビーフの缶詰は安くはないが、無補給区間ではご馳走になるので用意しておきたい。
途上国は物価が安いので基本外食だった。安宿とセットになる。ただ、朝食はパン、クッキーで済ませることが多かった。その方が安宿のトイレできちんとウンコしてから出発できる。昼食はファーストフードや食堂を利用。夕食は安宿を確保してから街へとお出かけ。食堂で済ますか、何かしらテイクアウトして安宿で食べていた。
世界の食文化に触れるのも旅の楽しみの一つ。ブラジルなんてビュッフェの国だったし、少し値は張るが昼から食いまくっていた。その分、夜を控えめに。西アフリカの食事は食堂よりも露店だった。鍋を持ったおばちゃんを探して、ぶっかけ飯をいただく毎日。東アフリカにはウガリ、シマ(もち状のトウモロコシ)、マトケ(野菜バナナ)といった見慣れない主食があった。ウガリはザラザラしているので苦手。シマは滑らかな舌触りなので抵抗なし。
中国の大衆食堂も好きだった。ゴォーっとスペースシャトルを打ち上げているようかの高火力。熱した鍋の上でパチパチッと油が弾けたら具材を投入。しばらくすると、ジーッジーッと具材から水分が抜ける音。シュッシュと振る鍋にカツカツとお玉が相槌。しっかりと具材に火が通ったらできあがり。ホクホクの湯気を上げたお皿がやって来る。
車やバイクの燃料はガソリンになる。でも、自転車だと人力になるので燃料は食事だった。食べないとパワーが出ない。食べなければ進まない。旅中の胃袋には食欲魔人が住んでいた。そいつはめいっぱいの食料を要求する。応えるように食べまくっていた。世界各地で食べまくっていた。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載