自転車世界一周における危険について覚え書き
・スリランカ
スリランカで路線バスに乗っていた。停車中にパンパンパンパパンと乾いた音が車内をこだまする。銃声だと思った。慌てて身をかがめて丸くなる。しかし、ただの爆竹だった。ほっと胸をなでおろす。
・ソロモン諸島
ソロモン諸島の首都ホニアラ、チャイナタウンの商店街が日が暮れるともに店じまい。それと同時に人々の賑いもスーッと引いていた。これはやばいと背筋が凍る。明るいうちに所用を済ませた。商店のドアもシャッターの上に鉄格子という二重の防御。危機感を煽るには十分だった。
そのホニアラはガダルカナル島にある。多くの日本人が犠牲となった大戦の激戦地。だから、市内中心から少し離れた丘にある慰霊碑に立ち寄りたかった。観光案内所で慰霊碑のある丘まで自転車で行きたいと相談。でも、受け付けのお姉さんは「危ないからあんまりお勧めできないわ」だって。断念。どんだけ治安が悪いねん。
・ブルンジ
ブルンジを走っていた。後ろで「ハァハァ」と誰か息を上げている。振り返ると10歳くらいの少年だった。こぶし大の石を右手に握りしめる。殴るつもりだったのか。目が合ったので未遂に終わる。
・セブンイレブン
東南アジアのセブンイレブンを比較。フィリピンだと警備員がぴしっと入口に立っていた。タイだと野良犬がだらっと入口で寝そべっている。治安の差は一目瞭然。
・インド
インドの雑踏で唐突に腕をつかまれた。男は怒った顔をしていた。しかし、何も身に覚えがない。掴んだ手を振り払ってその場を後にする。なんだったんだあいつ。訳わからない。でも、これで終わりではなかった。少しして、また同じ奴に絡まれる。やはり男は怒った顔だ。こりゃ、やばいと近くの商店に逃げ込んだ。これで終わったが、まったく意味が分からない。でも、インドだからと深く考えないようにしている。
・スリ未遂
旅中に5回スリに遭いそうになった。インドネシア、マレーシア、ベトナム、中国、ウクライナの5カ国。いずれも未遂に終わる。ウエストポーチでもバックパックでも意図せぬ力に気付いて振り返ると犯人と目を合わす。背後には注意を払うべし。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載