348日目 Dongara
一日一本、三日で三本、今日で十一日目なので十一本目。ファームの宿泊施設に入ってから毎日のようにトウモロコシを食べている。びっくりする程にトウモロコシという物は甘い。
相変わらずトウモロコシの収穫作業を行っている。高々と茂るトウモロコシの林の中を、両手で実をむしりながら倒していく。スイカやメロンと違い腐っても乾燥しているから綺麗でよろしい、ただ茎の汁に群がる油虫みたいなのは不快だが。幾分か腰をかがめて行う作業なので腰が多少痛く、慢性化している。自分の目測ではそろそろ半分刈り取り終わりそうな位進んでいる。収穫した後の畑は更地に戻り、それを見るのは爽快だ。
パースの北360kmのドンガラの町に近い所にファームはある。朝は寝袋から出るのが億劫になる位に冷え込んでいるのに、日中は30℃近くまで気温が上がっている。だが日中はかなりの風が吹くので悪くはない。ファームではキャラバンにエストニア出身のワーカーと共に住んでいる。とはいってもしきりがあるのでプライベートは保たれ、キッチンもテレビルームも別の建物にあるからこれといって支障はない。ただキャラバンは道を走る物なので足踏み一つでもかなり揺れるのが少し気にかかる。
ひとまず今日でオーストラリアでの農場労働日が93日となり目標は達成した。もう一年滞在出来るようにビザの延長の申請をして、何事もなく通ってくれるようにと祈るばかりだ。後はここのファームでいつまで働けばいいのかで頭を悩ましている。来年の1月10日迄働くと言ってしまってファームの宿泊施設に移ったのだが、都合のいい自分の頭の中では来週末迄働くか今月末まで働くか二者択一になっている。別の種類のピッキングをしてみたいから早く移りたいのと、まとまった資金を貯めたいから働かないといけないと、想いが交錯している。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載