「差別は駄目」で終わるほど世界は単純ではない | 自転車世界一周チャリダーマン

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2019.05.30

カテゴリ : 社会

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「差別は駄目」で終わるほど世界は単純ではない

 

エルサレム滞在中、街を歩いていたらユダヤ人らしい老人に「私はムスリムが嫌いだ、彼らはテロばっかりじゃないか」と唐突に言われた。不愉快だったが彼を否定したくなかった。過去に何があったかは計り知れない。身内がイスラム過激派のテロに巻き込まれ命を落としていたら。何も言えなかったけど話を聞いてみたかった。

「差別は駄目」で終わるほど、世界は単純ではない。

海外、特にアフリカでは「チン・チョン・チャン」と大いに馬鹿にされた。半分くらいジャッキー・チェンのせいなんだけど、それでも見下しているようで腹が立った。「日本嫌い」「日本人嫌い」と言ってくれた方が楽だった。理由があるなら対策を立てられる。

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・ブラジルにて

ブラジルの空港でパッキングしていたとき、一人のおばちゃんに話しかけられた。応対する以前に、まず荷物の安全を確認した。そのうえで会話に応じる。無意識でそういう行動に出た自分に驚いた。ブラジルの治安は悪かった。だから、ブラジル人はちょっと怖かった。現実なんてこんなもの。

だからといって、おばちゃんが泥棒というわけでもない。でも、私からしたら分かりやしない。だから、自身のとった行動を責められるいわれはない。ただ、おばちゃんが一般人だったなら、そこからは普通に対応するのが礼儀。お互いがお互いを許容すれば何の問題にもならない話。

・海外に住むなら

もし私が海外に住むと仮定して

敵「日本人が嫌いだから、この国から出ていけ」
私「嫌でござる」
敵「日本のブラック企業で働いていた。酷かった。だから、日本人が嫌いだ。この国から出ていけ」
私「出ていかないでござる。でも、ブラック企業に関しては申し訳ない」
敵「あなたが謝ることではない。でも、どうしても口にせずにはいられなかった」
私「その気持ちは当然。あなたは間違っていない」

くらいのことは起きるかもしれない。でも、なんの問題はない。出て行けと言われて出ていく必要はない。でも、出ていけの声まで塞ぐべきだろうか。

・南海電車

2016年10月に「本日は外国人のお客さまが多く乗車し、ご不便をお掛けしております」という南海電車のアナウンスが不適切として話題になった。でも、何が不適切だったのか今も理解できない。だって、外国人が他国で迷惑をかけるのは当然。逆に自分が海外でこういうアナウンスが流れて理解できたら周りに頭下げる。そして、ここぞとばかりにご迷惑をかける・・・かは知らんけど、海外の電車なんて文字読めないし放送分かんないし現地人と対等な訳なはずがない。

アナウンスが流れてきたとして

外国人客「よく分からないことばかりですいませんね」
日本人客「いえいえ、あなた外国人ですからね」

なんて平和な世界でしかないけれど、それすら気に入らない人が声を荒げてしまう日本の状況は心配。

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プロフィール

・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載

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