私は私が何であるか分からないまま朽ち果てる
コンピュータの世界にはコピー&ペーストという概念がある。1か0の2進数で記されたデータはコピー(複製)してペースト(貼付)すると、全く同じデータがもう一つ誕生する。
このコピペの概念を人間で考えることがある。細胞レベル、遺伝子レベルまで同じ人間をコピーできるとしたら、もう一つの私が生まれるのかという問い。
人間がコピペできたら私という存在は物質に宿ることになる。でも、漠然とだがそんな気はしない。私はおそらく物質ではない。私が何であるか分からない。分からないまま死を迎える。
この世界は無から何も生まれはしない。時間もエネルギーもあらゆることにはある程度の説明がつく。でも、人は違う。私がいつ私になったかは思い出せないが、無から誕生した唯一無二の存在として今を生きている。
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プロフィール
・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載