中東のアラブ圏では太陽より月が好まれる
台湾で見つけたサンライズツアー。
エジプトでみたサンセットホテル。
日の出ずる国。日章旗、旭日旗といて日本という国は太陽を敬う。SUNRISE日本。だが、アラブ圏の人たちは太陽があまり好きではない。暑い。暑すぎるのだ。サンライズよりサンセットが好まれる。日中の太陽より夜の月が好まれる。
あまりに暑すぎることからアラブ圏の昼下がりはお店が閉まる。街を歩く人もまばら。彼らは日が沈んだら本気だす。暑さが和らぐ日暮れ前、椅子に座ってお茶を飲みながらおしゃべりする男たち。夜になったら市場が賑わう。暗くなると危険が増す中南米とは一転して、アラブ圏の夜は実に穏やか穏やか。
モロッコで見たコカ・コーラの販促ポスターにも月。
エジプトのボーダフォンの広告にも月が浮かんでいた。
高校生の頃、上前淳一郎氏の「読むクスリ」という文庫本にはまっていた。思わず唸るエピソードを集めたエッセイ集。海外の小噺も多かった。その一つにサバ缶の話があった。アラブ圏でサバ缶を手がけていたが売れ行きが芳しくない。缶のパッケージに太陽が描かれていたからだ。デザインを月に変えたら急に売れるようになる。(読むクスリ〈PART6〉にサバ缶の話がある)
そんなことを知っていたのでアラブ圏では月の扱われ方が気になっていた。むかし読んだ話は本当だった。
・アサヒスーパードライ
アラブ圏では太陽より月が好まれる。そして乾燥している。このことから、アラブ圏で「アサヒスーパードライ」の商品名はまずい。売れない。と考えたけど、あそこはイスラム教でそもそも酒を飲まない。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載