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2017.11.04

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海外で野宿をするにしても精神状態次第では気が狂う

 

前日に怖い目に遭ったこともあって、あのときの野宿はかなり不安定な精神状態だった。平気なときは平気なのだが、一旦バランスを崩すと怖くて眠れなくなる。そういうことが旅では何度かあった。

自転車の旅では野宿は避けては通れない。日本と比べると世界は広く、アフリカのサハラ砂漠や南米のパタゴニアなど人家のない区間が延々と続くこともある。そういった場所はテントしか選択肢がない。

また、褒められた話ではないが宿代の節約でもあった。物価の高いヨーロッパやアメリカでは野宿ばかりだった。ただ、街中でテントを張ることはほとんどなく、人目につかないところを探していた。ヨーロッパだと森が多かった。大きな峠の前後も人の気配がしないので野宿はしやすかった。

こうした野宿では幹線道路から見えないように姿を隠す必要があった。丘だったり窪地だったり高低差をうまく利用していた。

野宿の危険性は

①テントが見つからない
②テントが見つかる→気にされない
③テントが見つかる→気にする→やってくる人が普通
④テントが見つかる→気にする→やってくる人が暴漢→逃げる
⑤テントが見つかる→気にする→やってくる人が暴漢→逃げるが捕まる→闘うか諦める

というケースを想定していた。旅では幸いにも暴漢に襲われることは無かった。ただ、何度かヒヤヒヤさせられることはあった。

モロッコからサハラ砂漠を南下していた。その日も、いつものように砂漠の荒野にテントを張る。幹線道路からは離れていた。それにも関わらず、深夜に車がやってくる。ヘッドライトが近くの場所を照らしていた。数人ほどが何かをしていた。見つかると向こうもきっと混乱する。だから、名乗り出たかった。「怪しいやつじゃないですよ」と説明して「こんなところで何してるんですか」と訊きたかった。安心したかった。息の詰まるような葛藤。でも、しばらくすると彼らは立ち去った。こちらの正体はバレなかった。結局、何をしていたのか分からない。ただただ、神経をすり減らした夜だった。

このような夜もあった。

・メキシコの道脇の茂みにテントを張った。闇の中から馬に乗ったカウボーイが現れた。「自転車で旅をしている」としどろもどろなスペイン語で説明したら立ち去る。
・ギニアの森でテントを張る。近くに集落でもあるのか太鼓の音が聞こえてきて眠れない。
・チリの橋の下にテントを張っていた。なぜか車が降りてヘッドライトがテントを照らす。でも、顔を合わすことなく立ち去ってくれた。

スペインの森にテントを張っていた。夜中に車が止まって目が覚める。緊張して構えるが数分後に車は出ていった。朝起きるとそこにはウンコがあった。この程度のことばかりなら余計な苦労はしないのに。

また、一度だけ夜中のテントに人がやってきたことがある。

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プロフィール

・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載

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