山谷のドヤ街にパトカーとやってくるワゴンカーの役目
滞在していたシェアハウスは山谷のドヤ街の中にあった。そんなドヤ街の宿の前にパトカー、救急車、ワゴンカーが泊まる。誰か亡くなったんだろう。少し様子を見守っていたらおっちゃんに声をかけられる。「あいつ末期ガンって言ってたからな」と故人を偲ぶ言葉にしんみり。
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「お知り合いなんですか」ときくと「もうすぐで80歳でね」「医者から余命宣告を受けていて」と矢継ぎに情報をくれる。そんな立ち話していると「あいついた!」とおっちゃんが口走る。亡くなったのは違う人みたい。「ちょっと誰なのかきいてくるわ」と宿の方に歩いていった。不謹慎だがおかしかった。
別の場所だが前にも同じ光景があった。死にそうな人を運ぶのは救急車だが、死んだ人を運ぶのはワゴンカーの役目。
どんな人生を経てドヤ街で最期を迎えたのかは知る由もない。ただただ「安らかに」と冥福を祈るしかなかった。
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プロフィール
・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載