【近況】ネパールとインドの国境から電車でコルカタへ
カトマンズを脱出するのに山岳地帯を縦走。
ダートと砂埃。
こんなはずではなかった。
5日間滞在したカトマンズに別れを告げて走り出す。往路と同じように、一つ峠を越えたら後は下りと甘く見ていた。そしたら、一つピークがあって、二つ目で勘弁してくれたらいいのに、川沿いまで降りて、三つ目を上らないといけなかった。路線バスも通ること無く、TATA製の乗り合い4WDが地元民の交通手段。道路が良ければ頑張れたかもしれないが、生憎の未舗装路に急勾配。三つ目の峠の手前で疲労困憊で、諦めて車に乗せようと何度も思ったけど、ちょうどいい所に宿があったので、一泊挟んで乗り切った。
山間の安宿。
最期の峠を越えて。
縦走、縦走。
つづら折りの道。
ビルガンジ(Birgunj)とラクソウル(Raxaul)の国境を越える。騒がしいクラクションの音に、ゴミが散らばる道路の脇を、のらりくらりと牛が歩く。インドに再び、戻ってきた。タイヤが裂けてチューブが爆発しそう、インドで手に入れたパンクパッチが剥がれてチューブの空気が漏れる、騙し騙し走っていた自転車の旅もそろそろ限界。1日のパンク回数が150%、1度パンクして、再びパンクするのが50%と、最近の走行はしんどかった。こうした理由により、最後まで走れないのは残念だけど、列車を使ってコルカタまで移動する。運がいいことに、直行便があった。
この列車。
ラクソウルの駅。
自転車はカーゴに預けて、残りは持ち運ぶ。
エアコン無しの寝台車。
自転車もあるので不安だったけど、窓口のインド人は親切できちんとチケットが購入できた。エアコン無しの寝台車が365ルピー(約730円)、自転車は別途に運んで130ルピー(約260円)かかる。始発の列車になるので、3段ベッドの一番上を確保。夜8時前に出発、翌朝12時過ぎに到着。意外と遅れることなく予定通りに、列車は走ってくれた。約1000円で、自転車だと7日はかかる距離を、1日で進んでくれる。南アジアアウトのチケットを取ったコルカタに到着。
さて到着したはいいけど、心配していたとおりに、どうやって自転車を受け取ればいいか分からない。インフォメーションで尋ねてみたら、荷物預かり所を紹介される。インド人は物事をあまり考えてくれない。電車に戻ってみると、荷物を運ぶ列の中に、自転車を押すおっさんを発見。後ろについて行くと倉庫だった。案内がないと、絶対に分からない場所。中の人に「しばし待つように」という指示で1時間くらいボーっとしていたが、一向に呼ばれない。インド人の働きに期待してはいけない。「いつまで待たせるんだ」と語気を強めて文句をいうと、それから書類を書いてくれた。バツの悪そうな仕事ぶりに、思わずにやけてしまう。怒っても怒りっぱなしは良くない。「ありがとねー」と待たされたことは無かったことにして、その場を後にした。
川を渡って。
宿まで5kmも無かったのに、またパンクするというか、パッチが剥がれて空気が漏れる。パンクの穴が大きかったのか、パッチの質が良くないのか。しばらくすると集まるギャラリーの皆様。悪さはしないので、そこにいることを気にせずに、作業しないといけない。
集まってくれるのが、若い女の子だったらいいのに。
コルカタで作業しつつ、チャンスを見てバングラデシュに遊びに行きたい。
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・周藤 卓也(しゅうとう たくや)
1983年 福岡県生まれ。
150カ国と13万1214.54kmの自転車世界一周を達成。
次なる夢は福岡でゲストハウスの開業。
WEBライターとしてGIGAZINEで連載